FUSION 多摩ニュータウン学基礎講座 - 長池地区住民のコミュニティ意識

基礎講座 第8講

長池地区住民のコミュニティ意識


多摩ニュータウン学会コミュニティ部会と大妻女子大学社会情学部炭谷研究室では,見附が丘連絡 協議会とFUSION長池の協力をいただき,昨年12月に「長池地区住民のコミュニティ活動と地域資源 調査」を実施しました。今回の基礎講座はその結果の一部をご報告したいと思います。

<居住性>
居住性項では「気に入っている」が約80%。しかし定住性項は「住み続けたい」が54.1% であった。他の地域調査では,年齢に比例して定住性は通常高まるのに対して,長池地区では異なる 結果となった。年齢別に見ると[図1]のように、50代では「大変この地域を気に入っている」が54. 6%と過半数を占めているのに対し,40代は「どちらかといえば気に入っている」が56%と過半数を 占めている。このように、50代では退職後もこの地域に住み続けたいと考えているのに対して,40代 ではライフサイクルに合わせた移住を考えていることが推測される。平成以降になって街開きされた ポストバブルの特徴が現れているといえる。

周辺環境に関する評価は、「緑の豊かさ」と「町並みの美しさ」という項目には満足している一 方、「通勤に不便」,「医療施設」や「公共施設」に乏しいという一部日常生活の不便さも指摘され ている。

<PC・NPO関係>
PC所有率は6割に達している。野村総研調査でもPCの世帯普及率は36.8%である ことから,有効回答世帯における所有率は高い。なお、ネットへの接続率は,野村総研調査では 41.9%に対して,長池地区では46%とこれも上回っている。NPO・FUSION長池については8割を越える方 が活動の存在を認知していることがわかった。「ぽんぽこかわら版」は「一通り全部に目を通す」6 割、「関心のある記事にだけ目を通す」2割となり,こちらも8割以上が目を通していることがわかっ た。NPO・FUSION長池への要望として「地域住民を結びつける核としての活動を期待します」,「若い 家族ばかりの活動で40歳以上の活動または、サークル等があると良い」という期待が寄せられた。

<ボランティア活動>
「参加していない」56.5%、それに対して「参加したことがある」30.6%、 「積極的に参加している」12.9%となり,回答者の参加度は高い。この地区での活動の特徴は,[図 2]のように,男女別に見ると,男性の方が参加率が高いところにこの地区の特徴が見られる。 最後に,長池地区におけるコミュニティ活動について調査結果から3点の課題を指摘して結びとし たい。第1に高年齢者も参加しやすいメニューづくりと,第2に女性達の活動のネットワーク。第3 に活動の情報提供が必要となる。

[図1]地域への愛着(年齢別)[図2]ボランティア活動(男女別)

(追記)
調査は、せせらぎ北・せせらぎ南・プランベール・長池団地・長池第二団地の計525世帯を 対象とし,回収数は85世帯、回収率20%弱であった。ご回答いただいたみなさんはじめ,ご協力いた だきました各管理組合,自治会,見附が丘連絡協議会のみなさんにお礼を申し上げます。

(蓮生寺公園通り一番街 炭谷 晃男